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【数】Β/Γの魅力とスターリングラード

現在はヴォルゴグラードと称されている、旧スターリングラード。かつて第二次大戦時に

ドイツ軍とソ連軍の、いわゆるスターリングラードの攻防の舞台となった都市。

残念ながらだいがくはいまだ目の当たりにしたことのない場所なのだが、今回のお題は

実はこの都市とは全く関係がない。

とある近似式の名称と音の上の類似がある、というだけなのだが、どういうわけかこの近似式

とセットになって連想されるので、話の導入に使ってみた、というだけである。

その近似式、というのはスターリングの近似式と言われ、いわゆる「ビックリ」、すなわち階乗

を近似する関数である。

その内容についての詳細は、ここで一生懸命文字で記述するより、以下を見ていただいた方が

早い。

Stirlings Approximation

http://mathworld.wolfram.com/StirlingsApproximation.html

n! と書けばいいものを、わざわざ複雑な関数で表現するのか、と疑問に思われる

とは思うが、実際のところ n! という表現は関数、というより数列の部類で、なるほど確かに表現

としては簡潔であるが、解析に際してはこのままでは何かが見えにくい。

喩えとして適切ではないが、それは微分方程式は見た目は簡潔でも結局「解かれなければ」

ならないということと類似しているかもしれない。

ともあれ、この一見複雑怪奇な近似式が、実は非常に重要なのである。

何といってもこの近似式の最大の功績?は、確率論での二項分布から正規分布、いわゆるガウス分布への「変身」にある。

p + q = 1の時、 (p + q) ^ n (=1) を展開すると二項分布が得られるわけだが、この関係を

保ったままで n → ∞ とした場合、これは正規分布になる。

面白いのは、本来が離散分布である二項分布が、極限まで飛ばされると連続分布である

正規分布になる、というところで、そういって良ければ離散分布と連続分布の橋渡しをこの

スターリングの近似式が担っているのである。

そして、このスターリングの近似式の背景にあるのがΓ関数なのである。

Γ関数にしろ、Β関数にしろ、共通しているのは「定積分の形をした」関数というところで、

実際に積分している変数とは別のパラメータについての関数と見ている点である。

定義式は非常にはっきりしている。

Gamma Function

http://mathworld.wolfram.com/GammaFunction.html

Beta Function

http://mathworld.wolfram.com/BetaFunction.html

面白いのはこれらが元来定積分として表現されており、積分であるので変数変換を

施すことで多種多様な「変身」をすることができる点にある。

この「変身」可能性が、様々な応用を可能にする。

特殊関数でありながら、真正の解析学の入口の一つ、と言えるかもしれない。

◇◇◇

スターリングラードの攻防については、確か映画もあった。

実際この都市の建物の一部屋一部屋を奪い合うほどの熾烈な戦いだったらしいが、

「冬将軍」を味方につけたソ連軍がナポレオン同様にドイツ軍に対しても最終的に勝利した。

対ナポレオンの経緯については、トルストイの「戦争と平和」に詳しいが、対ドイツ軍の経緯

に明るい読み物をだいがくは知らない。

もっとも、後者については実際の映像も残っており、NHKの「映像の世紀」などは良い資料

と言えるかもしれない。