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「一票の格差」訴訟:昨夏の参議院選挙も憲法判断へ

最高裁判所は昨日、昨年7月の参議院選挙(選挙区)における、いわゆる「一票の格差

(議員一人当たりの有権者数の格差問題)について、その審理を大法廷に回付しました。

昨年の参議院選挙についても、憲法判断が行われる見通しです。

昨年7月の参議院選挙から、一票の格差の是正を目的として、人口の少ない2つの県を

一つの選挙区とする「合同選挙区」が設けられました。(いわゆる「合区」)

具体的には、鳥取・島根、徳島・高知の4県(2選挙区)が対象となりました。

それでも、投票日当日の「一票の格差」は3.08倍もありました。有権者が投票で行使できる

影響力が、最大で3倍も違っていたわけです。これについて、全国の高裁とその支部に、

選挙無効を求める訴訟が合計16件起こされ、昨年10月までに全て判決が出揃いました。

その内訳は、合憲6、違憲状態10。これまでとは違い、違憲判決はゼロでした。

違憲状態」の判決においても、「合区」を評価するものが多かったように思います。

大法廷では、この「合区」と、3倍超の格差とを、どう評価するかが、焦点になるでしょう。

また、国会における定数是正の動きも、影響するかもしれません。前回の定数是正の際に、

参議院は「次回の参議院選挙で必ず結論を得る」と付帯決議をしました。しかし今日現在で

抜本改革への道筋は立っていません。これをどう捉えるかも、着目したいところです。

2010年の大法廷判決では、「選挙区の地域性は、一票の格差に優先しない」としています。

これに沿うならば、選挙区間一票の格差が、参議院の議員定数(242人)という制約の中で、

一票の格差が最小になる選挙制度を求めるのが、望ましいと考えます。

ただし、私は合区には否定的です。参議院議員が地方を代表することは尊重したいです。

実際、参議院(選挙区)の選挙事務は、都道府県の選挙管理委員会が担当していますし、

諸外国の例を見ても、地方自治の観点から考えても、地方代表の性格は必要でしょう。

これら2つのバランスをとるためには、121の全議席を選挙区に配分して、一票の格差

より縮小させる…つまりは「選挙区に一本化」することが望ましいと考えます。

この考え方に基づいて、2年前の国勢調査人口で試算すると、格差は2.23倍に縮小します。

戦後初の参議院選挙における一票の格差は、2.67倍。最低限この数字は下回るべきです。

大法廷の判決が従来と同じか、より緩い判断になれば、「一票の格差」の是正は遠のいて、

憲法の理念(法の下の平等)と異なる状況に陥るのは、間違いないでしょう。

最高裁憲法の番人である。それにふさわしい判断がなされるよう、願いたいと思います。

■昨夏の参院選一票の格差」訴訟、最高裁大法廷で審理へ

(朝日新聞デジタル - 03月22日 18:58)